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北海道・道東を拠点に、いろいろなところを旅したり温泉に入ったり車中泊に憧れたり生活に関するレビューをしています

【2016.4】NY旅行記 その6~The Crucible(るつぼ)を観た!~

そもそもの旅の目的、『The Crucible(るつぼ)』を観に行きました!

私はベン・ウィショーというイギリスの俳優さんがとても好きなのですが、 彼がブロードウェイで舞台に出演すると知って 勢いでチケットを取ってしまったのが事の始まりでした。

しかし、この作品、とても内容が重いんですよね…。

劇場の場所は予習済み。『ウォルター・カー劇場』というところでした。 ホテルからは歩いて10分くらい。 今日もガヤガヤとしているタイムズスクエアを通ります。

さて、ブロードウェイで舞台を観るなんて ハードルが高い!とお思いではないですか? 私はそうです。だって英語が分からない…。

ですが、そんな私は予習をかかしません! 原作があれば読み、それが映画なら観るし、内容を把握してから 舞台に臨みます。

で、舞台を観ているときのことですが、流れが分かっているので おおむね問題なしです。頑張って単語を聞き取ったりしつつ 舞台に集中します。

お話を知っていて楽しめるの?と思うかもしれませんが 舞台は生き物。演出や役者さんたちの演技で内容は知っていても 新鮮な気持ちで観ることができます(私は)。

今回は、こちらの本で予習をしていきました。 戯曲なのでさらによし!

気にくわない人を「あの人は魔女だ」とひとりが言い、 それをみんながヒステリックに肯定することで 周りの人たちが信じてしまうんですよ…。

その少女たちのことを「おかしい」と言った 人もターゲットにされてしまいます。

そんな作品を鬼才、イヴォ・ヴァン・ホーヴェが演出! (トニー賞にもノミネートされました!『橋からの眺め』で) これは観るっきゃない!という勢いです。 勢いってすごい。

観てから思ったのは、 「私はこんなに気高くあれるだろうか」ということ。 魔女と指摘されたら、もう逃げられないのです。 許されるには罪を認めて許しを得ること。

つまり、「私は魔女です」と言わなければいけないんです! 魔女じゃないのに。 小娘たちの遊びなのに(でも本人たちは真剣)。 命が惜しくて告白をした人は生き延びることができる。 でも、信念をもって嘘の告白をしないという 選択をした人は処刑されてしまう!! こんな不条理があっていいのでしょうか…うう…。

この作品に出てくる人たちはみな葛藤します。 そして、自分の信念に基づいた選択をします。

少女たちはアビゲイルという一人の女の子が リーダーとしてほかの子を洗脳状態にしていると思います。 たまに集団ヒステリーのニュースを見ますが、 ああいった感じになるんです。

その中でも「魔女なんていない、アビゲイルは間違っている」と 言う子(メアリー)が現れます。 ですが、彼女もアビゲイルほか少女たちからの圧力で 「無理やり言わされた」と話してしまうんです…。 その過程を見ているのがつらかったです。 本当のことを言いたい、でも言ったら仲間外れにされる、 それは生きていけないほどつらいことで。

ほかにも様々な登場人物がいるのですが、それぞれと 自分を置き換えて考えてしまいました。 自分ならどうする?と。

さてさて、演出の面ですが、17世紀の話なのに 少女たちは今風の制服を着ています。 イヴォ・ヴァン・ホーヴェの意図は分かりませんが、 制服を着せることで仲間というか集団ヒステリーの仲間というものが 視覚的に分かりやすかったかなと思います。

そしてベンウィショー演じるプロクターも素晴らしかったのですが 妻のエリザべス役のソフィーオコンネドがもうほんと良くって! 観ているときは「ずいぶんさらっとしたエリザベスだな」なんて思っていたんです。 でも後日この作品のことを考えていると真っ先にエリザベスが浮かぶんですね。 静かだけど、ずしっとくる演技だったと思います。 ほんとこの作品は演者さんも素晴らしかった…。

あと、いぬ!いぬが突然現れてびっくりしたのですが あれなんだったんだろう…。 狼?のようないぬでした。突然現れて、なにもせずにハケるいぬ…。 どこかで、人がいなくなった土地(魔女裁判で連れていかれるから)には 家畜や動物が徘徊するようになった象徴では、というのを 読んだ気がするのですが、いぬは家の中にいたような…?

こ、これがイヴォ・ヴァン・ホーヴェか!!(違う)

あ、あとこの舞台の照明が素晴らしかったと思います! 小さな窓から差し込む光でいま何時くらいかとか分かる…。 ああ、もうそんなに経ったのかな、とせつなくなりました。 トニー賞にも照明デザイン賞でノミネートされていますね。やっぱり!!

なんともいえない思いを抱えたまま、ステージドア(出演者のみなさんが 出てきてくれるドア)の前で出待ちしました~。 初のステージドア!雨もぽつぽつ降って来ているし なんだかものすごく緊張…。 ですが、ここでもフォロワーさま(前記事参照)と一緒だったので 安心できました。

メアリーを演じたTaviちゃんです! ちっちゃい!かわいい!!

彼女の演技、ものすごくよかったです!! 自分の心と仲間への気持ちで揺れ動きまくるところ、 ほんとにかわいそうだった…。 変わってあげたいと思いましたもん。 ハスキーな声もかわいかったです。

ブレてるし後姿だし…ですいません。 えーとこれは誰だったかな…?(超失礼) たしかパリス神父役の方だったような! サインをいただいたのですが、間違ったページを開いていて しまって…。ほんとに失礼しました…。 やり直したい…でもそんなアホな私にもとても優しく接してくださいました…!

そしてなんと!!普段はあまりステージドアから出てこないことが多い シアーシャ・ローナンちゃんが出てきてくれました~~! う、美し…!

イエーってテンション高く出てきてくれてうれしかったです~。

タイミングが悪くサインをもらえなかったので 最後尾に走ったのですが間に合いませんでした…。 でも拝見できただけでうれしいでございます!!

大ファンのベンウィショーさんは今日は出てこず。 でもまあほぼ出てこないと聞いていたので想定内です。 というか、帰って来てからシミュレーションをしてみたのですが、 どう考えても鼻血をだしてぶっ倒れる自分しか浮かばないので これでよかったと思っています。

でもステージドアっていいシステムですよね~。 今観た舞台の感想を直接伝えることができるんですもん! あまり会いたいファンってほどでもないのですが、ステージドアは楽しいなと 思います。

そういえば劇場の写真撮ってないや!と思って 焦って撮ったもの。劇場のライトがまぶしくて写り込んでしまっている…とほほ。

そういえば。ブロードウェイの観客の皆さんはよく笑います。 まさかるつぼであんなに笑いが起きるとは…。この辺は英語が分からないので ついていけず残念な気持ちに。 もっとレッスン頑張らねば~!!

これがPLAYBILL(劇場でもらえるプログラム)!

宝物だ~~!

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