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北海道・道東を拠点に、いろいろなところを旅したり温泉に入ったり車中泊に憧れたり生活に関するレビューをしています

【2017.3】ロンドン旅行記 その10 『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』を観劇…!

夜はハロルド・ピンター劇場にて 『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』を観劇してきました。

こちらは、一報を知ったときに 「おっ ルークトレッダウェイが出るの?観たい~!」 というミーハー心でチケットを取ったのでした。

で、その後に戯曲を読んでみて、 ものすごく惹かれたのです。

あらすじとしては、 大学学長の娘・マーサとその夫の大学助教授のジョージ夫妻。 大学のパーティーの後、赴任してきた生物学助教授の ニックとハニー夫妻を家に招いて起こる一夜の出来事、 という感じです。

このマーサとジョージの夫婦の攻撃が ものすごいんですよ。 口汚くののしり合うし、なんでまたそんな攻撃的な…っていう。 対して若いニック夫妻にも秘密があって、それを暴露されてしまうんですけど。

胸糞悪いんですよね。でも私はこの作品が好きなんです。 そして、この作品を舞台で観て、 「ああこれは舞台で観るべきお芝居だな」と思いました。

この崩壊した夫婦の激しさ、切なさ、哀れさ。 時に滑稽で、残酷で。 笑いも起こっていましたし、私も実際笑ったし。 戯曲を読んだときはこんなに笑えるとは思っていなかったです。

生身の人間が演じることで、作品に息吹が生まれるとは こういうことなんだな…と思ったりしました。

マーサ役のイメルダ・ストーントンの 激しさと哀れさに心底同情したし、 ジョージ役のコンリース・ヒルはさすがの一言。 あのマーサをいなせるのは、ゲースロでヴァリスなあなただけ! とか思っちゃいました。 ほんとこれね、『いなす』って感じ。

若夫婦のニックとハニーなんですが、彼らもよかったです。 特にハニー! 戯曲を読んだときは、なんだかパッとしない娘さんだな、 と思っていたのですが、舞台上のハニーはすごかった。 赴任して初めてお呼ばれするお家でなんとか気に入られようとする 前半もそうだし、酔っぱらった後の感じとか 目が離せない…! ほんとこれね、「デンジャラス デンジャラス」ですよ…! ここ、笑ったけども。

対してニックはまあ…役柄のせいもあって普通…いや普通じゃないわ! 最初は冷静だな~そうだよな~若くして助教授だもんな~なんて 思っていましたけど、なにがどうして、食えない男でしたね…。 なのにドアボーイとか言われてるし。小者感ばっちり出てました。 もしかしてニックが一番滑稽かもしれないな!?

三幕構成だったのですが、序盤から飛ばしまくり。 ラストに向かってのカオス度もすごくて、役者一人ひとりの 力を感じました。

「もう、早く夜が明けてくれ…!」と思ったりも。 (一夜の出来事なので)

カーテンコールで「やりきった!」というお顔をして 出てこられた4人を観て、 こんなパワーをぶつけ合うお芝居を毎日だなんて…! とも思ったのですが、プロの役者さんたちに失礼だな私は。

劇場内は満席だったと思います。 すごいお芝居を観てしまいました。

ラストでジョージが歌う『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』の 歌が耳に残っています。

帰る途中にあった映画館では、美女と野獣が上映 されていたみたいです。 なんとなく写しとこ!と思った1枚。

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