大好きな作品すぎるので、期待しないように…という思いは杞憂でした!!
大大大好きなミュージカル『ビリーエリオット』。 炭鉱ストの街でバレエの才能に目覚めた少年ビリーの 成長物語。周りの偏見にも負けず、いつしかその想いは 家族の様子も変えていき…というお話。
ロンドンでの公演を観て心を奪われ、まさかのUKツアーにも行ってしまったくらいの作品です。
そんなマイフェイバリットミュージカルのひとつが 日本版として上演される日がくるとは…! というわけで、張り切ってチケットを取りました。
ですが、そんな大好きするぎる作品なので 思い入れというかめんどくさいファン心理がありまして。 そもそも、ビリーエリオットは炭鉱ストという中であれやこれやするお話。 時代背景やその空気感が日本で伝わるのか?と思ったんです。
よく「バレエはもちろん、タップや器械体操などあらゆる動きを しなければいけない、しかも舞台はほとんど出ずっぱりという ビリーを演じられる子どもはいるのか?」といわれていたように思いますが その点は心配していなかったんですよね、私は。 イギリスだけではなく、アメリカ、オーストラリア、オランダや韓国などの 国ですでに上演されていたので、日本でもできるだろうなあとは感じていました。
『ビリーエリオット』は、単なる”子役が頑張る作品”ではないので、 いやもちろん頑張っているのですが、それだけじゃなくて。 そんなビリーを見て”希望を託す大人たち”の話でもあると思うんです。 それには、あの時代の閉そく感を知っていないと…とか偉そうなことを 考えていたのですが、ミュージカルの、楽曲の力ってすごいです。 すんなりとお話に入っていけました。
私が観劇したのは、プレビュ―公演。7月22日のソワレです。 ビリー役の木村咲哉くんとマイケル役の城野立樹くんがデビュー。 (と、最初のあいさつで言っていた気がする…) そうそう、最初に本国スタッフ(どなたか失念)の挨拶があったんですよ! 木村くんは最年少で一番小さなビリーだけど、今日まで必死にレッスンしてきた。その成果を観てあげてほしい的なことを言っていたようないなかったような(創作だったらすいません)。
そんなこんなでほほ~と思いながらとうとう私の日本版ビリーエリオットが始まりました。
まずはスモールボーイがちょこちょことステージに上がって、TV放送が映し出されます。 これ、イギリスで観たときよりもすごく丁寧に時代背景を説明してくれたんですよ!!! 分かりやすい。 サッチャーだけじゃなく炭鉱閉鎖に反対の議員さんとかも映してくれたりしたので、ここで時代の様子はバッチリでした。ああ、これは素晴らしい舞台になるぞ、と確信しましたね(早い)。
そして、一曲目の『The Stars Look Down 星たちが見ている』の 一音目を聴いた瞬間から目から大量の涙が…。 私、今日本でビリーエリオットを観ているよ!!!という思いが 実感となった瞬間でした。
演出は、ほぼUKツアー版と同じだったと思います。 でも、ビリーのオーディションの会場である ヴィクトリアパレスシアターはツアー版よりも綺麗に見えて 「ああ~~ここだよここ!!」と激しく感動しました。 美しい劇場でしたよねヴィクトリアパレスシアター…。 あと気になったのは、ブレイスウェイトさんの股割(?)が なかったこと。こればっかりは仕方ないか~と思うのですが、 いつもすごく盛り上がるシーンなので、ほんの少し物足りなさを感じました笑。
何気に今までで一番前の席で観ることができたので 作品の持つ迫力をより感じることができました。 あと単純にビリーとマイケルの『Expressing Yourself 自分を表現しよう』の タップがすごい。すごいとしか言いようがないです。 スマイル~♪って歌いながら、足元がえげつない…! 大好きなシーンのひとつ(というかほとんど好きなんですか)だったのですが もっともっと大好きになりました。 「自分の好きなことをやって、何が悪いの?」というマイケルの強さとキュートさ、そして少しの切なさも感じる大好きな曲です。大好き言い過ぎですね。
そして!!今回素晴らしかったのは 『Electricity 電気のように』です!!! この曲は、それぞれのビリーの個性が出るダンスになっているそう。 木村くんのビリーは、器械体操ぽい動きが多めだったかな? 側宙というのか、手を付かない側転が結構目立ちました。 一回、床ギリッギリのときがあって、もうハラハラしちゃったんですけど 本当に、心から、身体じゃなくて気持ちが前面に出ている感じで 素晴らしかったんです。 まさに『Electricity 電気のように』の歌詞そのまんま! あまりにも素晴らしくって、ショーストップとなりました。
私は『The Letter 手紙』のところで毎回ゴーゴーと泣いてしまうのですが 今回ももれなく泣きました。 ウィルキンソン先生が「すてきなお母さまね」と言うときに 「普通の母ちゃんだよ」と返すビリーが好きです。
木村くんは歌もとっても上手かったし、聴き取りやすかったです。 こんな素敵なビリーを観させてもらえて、とっても嬉しい。 そして、他のビリーはどんなのだろう…という思いがふつふつと。
さてさて、大人キャストですが、こちらも皆さん素晴らしかったです。 最初にキャスティングを聞いたときは 「え~ダッドが吉田鋼太郎さんか~どうなんだろ」と思ったりもしましたが これがとても良いダッドでねえ、私は泣きましたよ。 妻と家族を思って歌う『Deep Into The Ground 深い地の底へ』で。 ビリーの踊りを見てウィルキンソン先生の家を突然訪ねるところで。 オーディションのダンスをまるで自分の息子じゃないような、でも少し誇らしい まなざしで見ているところで。 いや~よいダッドでした。お父ちゃん!
トニーの藤岡正明さんも良かったです。 これまで信じてきたものが壊れていく様を見てイラついて 弟にあたったりするも、底では優しいお兄ちゃん。 映画の方が仲良しっぷりを感じるのですが(見送るシーンで泣いちゃう…) このトニーも好きです。 というか、私は「未来ある弟を送り出す兄」に弱いのです。 シングストリートとかブルックリン(これは姉妹)とか。 不器用だけど、弟思いの兄トニー。 家族のことだって大好きなんですよね。 お母さん亡きあとの家族を支えなきゃと思っているところもあって強がっているのだと思っています。 演じた藤岡さんの風貌が優し気なので、怒ったときは怖かったのですが クリスマス会のときとか優しい~と思いました。兄弟仲良く並んで父のお歌を聞くふたり…良いです。 ウィルキンソン先生は島田歌穂さん! あれ?私は今ロンドン版を観ているのかな?ってくらい ウィルキンソン先生でしたね~!! 諦めに似た感情で田舎の子どもにバレエを教えて。 そんなときにビリーと出会い、教える楽しさが生まれたのでは? と感じました。きっとウィルキンソン先生は、自分の経験を基に 「私が教えたことはすべて忘れなさい」と言うのだろうなあ。 強くて荒っぽいけどやっぱりウィルキンソン先生も優しい。
バレエガールズもかわいかったなあ。 私はどうしてもあの「キャー!」が少し苦手なのでウッと思いますが…。
あと、もちろんおばあちゃんもすてきでした! 若すぎる感はありますが(ロンドン版と比べると)、 可愛らしくて強い女性でした。笑いも取ってたし!
ジョージは、UK版の丸くてかわいげのある感じに慣れていたので もうちょっとこなれてくるといいなあ~と思いました。 ちょっと早口に感じたのもあったかな?これからに期待です。
オールダービリーの栗山廉さん、初めてお見掛けしたのですが すごく…美しいですね…。見惚れてしまいました。 このビリーがあのビリーになるのね…と感慨深くなっていました。 そんな栗山さんは北海道出身なんだ~!(パンフを見て)勝手に親近感~!
そしてそして、アンサンブルの皆さまが素晴らしかったです!!! 迫力ある~!一体感もある~!!団結だ団結だ!
日本語で観ることで、字幕とは違う、よりスッと入ってくる感覚になりました。 九州の方言を台詞に入れているようで、炭鉱町の荒々しさや地方の物語感が出ていてとってもよかったです。 一瞬イギリスの話だということを忘れてしまったところも…(すいません)。
大人たちもダブルキャストということで、違うキャスティングで観たい気持ちで いっぱいです。 そしてチケットが増えました。ははは。 ただ、9月なのでどのビリーになるかは賭けです!!! できれば全部違うキャストで観た~い!
プレビュ―公演は、たぶん宣伝の意味もあってだと思うのですが カーテンコールの最後の方が撮影OKだったんです。 楽しい楽しいカーテンコール。 だーいすき!です!! トニーの笑顔にほっとしてなぜかいつも泣き笑いの私ですが…照。
スモールボーイくんがかがんでいるのは、幕が下りるギリギリまでバイバイしてくれたからです。 すっごくかわいかった~~!!
んですが、写真を撮らねば!!と思ってスタオベできなかったのが心残りです。 わーん! 次回は絶対にスタオベするんだ!もちろんその日が良かったらですけども。
プレビュ―のときに売っていたパンフです。 インタビューや炭鉱閉鎖の時代の解説など読み応えがあるし、 こんな厚い紙使えるなんて…と羨ましく思ったりも してしまいました。力入ってるな! 今は本公演が始まったので、赤い表紙のものになっているはず。 両方売っているんですかね??
トイレはものすごく並んだので、結構休憩時間終わるギリギリでした。 トイレを終えてパンフを買って、ドリンクを買ったのですが 時間がなくて一気飲み…。味わいたかった…笑。
炭鉱の町のお話で、私自身炭鉱の町で暮らしており親が炭鉱マンだったので 閉山の際のこともなんとなく覚えています(学生だったので内情はよく分からず)。 さすがにストは起こらなかったのですが、あの頃は結構混乱していました。 そんな個人的な思いもあり、身近に感じる作品です。
とにもかくにも、日本版ビリーエリオットが観られて 私は幸せです。日本では珍しいロングラン公演を無事成功で 終えることができますように。
私の次回観劇予定は9月です。 成長した皆さんを観られることを楽しみにしています!
2017年7月22日 TBS赤坂ACTシアターにて観劇