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【NTL】エンジェルス・イン・アメリカ 第一部〜至福千年紀が近づく〜

早く二部が観た〜〜い!!

ロンドンで上演された、上質な舞台を映画館で観ることができる 『ナショナルシアターライブ』。 昨年も観に行きましたが、今年のラインナップはスゴイ! 

という訳で、ナショナルシアターライブ2018の第一弾 「エンジェルス・イン・アメリカ 第1部 至福千年紀が近づく」 を観てきましたよ!


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まず観終わってすぐに思ったことが 「今すぐ2部を観せてくれ!!!」ということでした。 この作品は、1部2部制で、各4時間ほどあるので 上映前には「長いな〜。途中でダレるかな」なんて思っていたのですが そんなことは全く無く、さらに続きが観たくなるというものでした。

脚本はもちろん、演出も俳優たちの力も、全てが素晴らしかったから 時間があっという間だったのだと思います。

ストーリーは、 1985年、エイズが世界を席巻する中、一人が罹患してしまう ゲイのカップル・ゲイということを認めたくなく結婚するも 自分に嘘は付けなく妻を精神的に追いやってしまう夫婦・ エイズにかかりながらも肝臓ガンと言い張る弁護士(実在の人物ロイコーン) たちの苦悩や葛藤を描いたもの。

原題は「ゲイ・ファンタジア」ということもあって スピリチュアルな要素も出てきます。

感想をツイッターで漁ったりもしたのですが 「分からない」ということも結構見かけました。 それで考えたのですが、私がこんなに惹き込まれたのは 「1985年を直に知っているから」なのでは、と思ったりもしました。

子どもではあったのですが、エイズが蔓延していく様子も 覚えているし(片岡鶴太郎司会のエイズ特番がゴールデンタイムにあった。子ども心に 怖ろしさを植え付けられた…)、ノストラダムスの大予言は結講真剣に信じていたし スピルバーグで育ったようなもんだし。

その時代の空気感を知っていると余計に入り込みやすかったのかな。 関係ないかな。

そうです。この作品は、その時代の空気感をとても上手く伝えてくれました。 ガハハと笑いながら数多くの電話をあしらう悪徳弁護士や ゲイではなく「ホモ」という呼称を使ったり。 そういう些細なことが時代を感じるひとつでした。

1部のみしか観ておらず、今回は予習もしないでみようと考えているので 2部がどんな展開になるのか楽しみです。 1部の終り方も「ええ〜!この先どうなっちゃうの〜〜!」って ところなのですごく…すごく今観たいんですよ!!!!!わーん!

作者はトニークシュナーで、ピューリッツァー賞やトニー賞に輝いた傑作。 演出は「戦火の馬」「夜中に犬に起こった奇妙な事件(大好き!)」のマリオンエリオット。 演じるのは、スパイダーマンでもおなじみのアンドリューガーフィールドに プロデューサーズなどのネイサンレイン、そして大好きなヒストリーボーイズにも出演していたラッセルトヴェイなど。 もうね、全部が素晴らしかったです。

舞台は3つの仕切られた部屋があって、それぞれゲイカップルの部屋や 夫婦の部屋、弁護士のオフィスなどになります。 ゲイカップルと夫婦それぞれが言い争うシーンが同じ場面で行われる ところはゾクゾクしました。これぞ舞台!

俳優さんでいうと、アンドリューガーフィールドってこんなにすごい役者だったんだ…と 失礼ながら思ってしまいました。本当にすごい。すごいしか言ってなくてすいません。 ひとつひとつの動作、声の出し方が完璧なんですよ…強く儚いプライアーでした。 他の出演者の皆さんが本当に素晴らしくって、誰一人「ちょっとなあ」と思う人物がいない!すごい! 一人何役も演じているんですが、これも戯曲で指示されているんだとか。 何か意味があるのだろうか。気になる気になる。

ほか特筆したい俳優さんは、ルイス役のジェームズマカードルです!! プライアーの恋人なのですが、結構クズいんです。 エイズにかかってしまった恋人を見捨てるんですが、ですが… ルイスの気持ちめっちゃ分かる。

分かってしまうんですよ。 日に日に弱っていく恋人を見ていられない、自分には支えきれない。 愛しているけれど、逃げたい、実際に逃げてしまう。 あ〜〜めっちゃ分かる〜〜〜!

この役って上手くやらないとただのクズい人物になってしまいそう なのですが、マカードルの容貌(頼りなくて優しげ)と演技で 愛すべき人物になっておりました。 まあ私も同じようなことをした立場なので余計に感情移入してしまうのかも。 (大好きな祖母が病気で弱っていく様を見ていられなくてあんまり病室にも 行けなかった…。そんなことを思い出してしまった)

あと、ナースの方(お名前失念してしまった)も素敵でした! プライアーに強く優しく語りかけたり、ルイスの長々続く差別発言のときの呆れた顔。 いや〜、本当に無駄なシーンがひとっつも無い作品ですな。

そういえばモルモン教についてもっと知っていたらよかったかなと 思ったりしました。 私は無宗派なので、そこまで戒律に縛られるものなんだ、というのが 感覚的に分からずで。 ブックオブモルモンとか観ると分かるのかな? モルモン教に対するぼんやりとしたイメージしかないのです。 正直、神にすがる気持ちもよく分からないのでした。 想像することしかできないねえこればっかりは。

今現在、2部が観られるか分からないスケジュールで(観劇旅行がある) 絶対観たい!!なんとしてでも観たい!!と頭を悩ませているのです。 飛行機の時間を変えねば!!

は〜2部楽しみすぎる。

お芝居の力ってすごいなあ、やっぱり私はお芝居が好きだなあ、と 改めて思えた作品です。 字幕で観られるのは本当にありがたい。 多少の間違いとか「?」と思ったところは目をつぶります。 きっと気づいているだろうから、次回に改善されていると思っています!

2018年2月3日 TOHOシネマズ日本橋にて鑑賞。

観終わってからツイッターのフォロワーさんとそのフォロワーさんと ご飯食べつつお話できたのも楽しかったです! 楽しい時間はあっという間ですねほんと。

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