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北海道・道東を拠点に、いろいろなところを旅したり温泉に入ったり車中泊に憧れたり生活に関するレビューをしています

【2018.3】ロンドン旅行記 その5 Kiss of the Spider Woman

素晴らしい演劇と美味しいごはんに楽しい会話で 朝「時差ぼけが…」と言っていたとは思えぬほど 元気になったわたくし。

張り切って本日のソワレ『Kiss of the Spider Woman(蜘蛛女のキス)』に 向かいます! 会場はMENIER CHOCOLATE FACTORYです。

なんかもう雪がすごくて、これ1枚しか 写真撮っていなかった…トホホ。

最寄駅はロンドンブリッジ駅。

ボローマーケット出口を出てそのまま左を向いてまっすぐ進めば着きます(私調べ)。 今回はcitymapparのおかげでレストランから 迷わず(うそ 一瞬1本道間違えました)着きました〜。

さてこの劇場、珍しいと思うのですが なんとレストランの奥に進んだ地下にあるのですよ~。 行く前は大丈夫かな?たどり着けるかな? たどり着いて劇場まで行けるかな?と 思っていたのですが、レストランに入った瞬間に 矢印で”劇場はこちら”的なことが書かれた紙が貼ってあったので 問題なかったです。 そりゃそうだ。

以下ネタばれなので気になる方は読まないで 欲しいのですが、忘れない為に記させていただきます!

ちなみに私はこれまで「蜘蛛女のキス」の舞台やミュージカルを 観ていません。 予習したのは映画版のみ。戯曲(小説?)も読まぬまま この舞台に挑んでしまいました。

サミュエル・バーネットが出るというだけで!

映画を観た感想は、「なんて…なんて切ない話なんだッ モリーナ!!」 というもの。 あらすじは 「未成年者に対する性的行為で捕えられたトランスジェンダーのモリーナと 社会主義運動の政治犯であるヴァレンティンの二人が同室となり 心を通わせていく様を描く」という感じだったと思います。

さあ、どんなお芝居が観られるのかな!とワクワクして 席につきました。

って思った以上に狭っ  ほぼ満席だったと思います。

劇場に入る前に、今回の演目は休憩なしの1時間40分、という 張り紙を見て「えっ 短っっ」と思いました。 映画より短かくって、どうみせるんだろと。

始まってみると、テンポの良さにびっくりしました。 なんというか、ストーリーをチョイスしている感じかな。 刑務所のブザーが鳴ると、場面が変わるのです。

それまでうっとりしながら映画のストーリーを話している モリーナのシーンからがらりと変わる。 ストーリー的にはうまく掻い摘んでいたと思います。

 

ステージは狭くって、ベッド2台と小物があるくらい。 壁には歩ける道(分かりにくっ)があって、 モリーナが映画の話をすると壁に影絵が照射されます。 これ、私にとっては分かりやすくてよかったです。

何と言ってもブザーが鳴るたびに一瞬暗転して 場面が変わるので、演者さんは大変だと思います。 それがテンポの良さ(良すぎるくらい)に 繋がるのですが。

俳優さんのことをいうと、 サミュエルくんは、サミュエルくんでしたね…。 でもモリーナでもあった、確かに。 最初はちょっとダークジェントリーの香りを感じたりもしたんです。 夢中で映画の話をしているところとか。

でも、どんどんお芝居に引き込まれていって、 目が離せなくなりました。 美しいなあ…と思いながら、キュートさと慈愛と 少しのずる賢さを感じるモリーナが愛おしかったです。

相手役のヴァレンティン役は、リージェンシーパークでのJCSで ジーザスを演じたデクラン・ベネットが。 私、彼のお芝居を観るのが初めてだったので かーっこいいなーって感じの印象しか残らず…。 言葉の問題もあるのだろうけれど、政治犯ぽさ?(そんなのあるの)が よく分からず…かっこよかったです、佇まいが。 いや、今もう一回観たら印象変わるかもですが!!

そんなねえ、見目麗しい二人がねえ、 あんなことになるんですよ。 私は映画しか観ていなかったのですごくびっくりしました。

これは私がきちんと理解していないんだと 思うのですが、これ二人完全に付き合ってるだろ!! という…。 あ〜〜うまく言えない!なんか濃厚なラブを感じたんですよ! 映画はモリーナからヴァレンティンへの愛が強くて ヴァレンティンはモリーナを通して外の世界(恋人・仲間)を 見ている感じがしていたんですけど、 ここのヴァレンティンはモリーナに夢中なのでは…? という。

最後のキッスだって濃厚すぎじゃないですか〜〜!!

いやいや違うよ!と思う方もいる(というかその方が多い?) と思うんですけど、私の目にはそう見えてしまったのです。

ラストも迎えに来るのはサミュエルくんだし(蜘蛛女的なドレスを着ている) こんなの…こんなのやおい的ハッピーエンドではないですか。

映画の方もネットで読んだ舞台でもモリーナは 中年というか老年よりの中年だったので サミュエルくんの若さ、というかデクランさんと同じ歳っていう シチュエーションや見た目がやおいというかBLぽさを感じたのかもしれません。

は〜〜ごちそうさまでした…。

という印象を持ってしまったため(ハッピーエンドだ!っていう)、 映画の切なさが飛んでいったのですよ。 映画は、献身的に尽くしたモリーナだったけれど 最終的にヴァレンティンが最後に思ったのは恋人のこと、 っていうのがあって。 この舞台でもそうだったのかもしれないんですけど、 だってサミュエルくん(モリーナ?)が迎えに来てるし…お幸せに!(死後だけど) という。

身も蓋もない感想ですいません。

観終わった後、すごい幸せ気分になってしまって いやいやこれはそういう話ではないから!という ことでものすごい混乱してしまって その混乱のままホテルまで戻りました。

SDって実はあまり行かなくていいと思っている派なんですけど (舞台の上でもらったもので充分かなあと最近は思っています) せっかく大好きな俳優が舞台に出て、もうもしかしたら生で観ることなんて ないかもだから感想のひとつでも、なんて 観る前はちょっと考えていたのですが、そんなのどっかに飛んでった!!

いやいや、でも観られてとてもよかったです。 サミュエルくんって実在するんですね…画面の10倍くらい美しかったです。

パンフ買ったよ〜!

出演者は3人(モリーナとヴァレンティン &署長・看護師の二役がGrace Cookey-Gam) ということとテンポの良すぎさが私の印象を なんかおかしな方に持っていったのかもしれません。

でもでも、観てよかったしできればもう一度観たい〜! ちゃんと消化したい〜という感じです。

 

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