本来は違う演目を観ようと東京まで飛んだ訳なのですが、どうにもこうにも心惹かれてしまい、7月の7日に serial numberの『nersery』を観てきました。
この日は実は千秋楽で、チケットが取れたのラッキー!という 感じでした。
きっかけはTLで感想を読んで、 これ絶対好きなやつ!と思ったから。
出演者2人の会話劇で、 とある精神病院がその舞台。 二重人格であるルディ・オコナーと、急遽彼をカウンセリングすることに なったドクター・グレイのお話です。
このお話が何というかわたしの好きな世界観で。 感想を読んだ時からビビッときていました。 こういうの好きでしょ?って言われてハイ好きです!って諸手を挙げる感じ。
でも、実際観たらどうだろう…と思ってはいたのですが 観たらやっぱり好きでした。 ふたりが出ずっぱりで、後半に向けてどんどん面白さが加速。 正直なところ、途中はちょっとダレた感が無かった訳ではないのですが。
ルディは大人なのですが、精神が子どもで。 それは彼が自分を守るためにそうなってしまったことで。 そして彼にはもう一人エリックという人格がいるのですが、 わたしはそのエリックがかわいそうで愛おしくて…。 ルディが自分を守るために、自分を隠すときに作られたのが エリック。だから、エリックはルディに対する人が彼に向けた 黒い想いと対峙するときだけ出てくるのです。 そんなの…そんなのつらいじゃないですかーー! エリックにも良い思いをさせてあげたい…。
正直最初は、ルディのかわいさがあざといな…って思っていたのですが、 エリックのことが分かってからはルディが純粋にかわいく見えて 「これが前のDr.を狂わせたあれか…」と。 純粋ゆえの怖さを感じた…というかエリックがかわいそうすぎる! そりゃルディが逃げるための人格なのだけど、 なのだけど、わたしはもうエリックうううう!となってしまいましたよほんとに。
ルディ(エリック)の前の担当医は突然の自殺をはかり、 その担当医はグレイの親友で…ということで この謎を巡るミステリー要素もあるのですが、 この謎が分かっていく後半は怒涛の連続でした。 薄々「そうかな?」とは思っていたのですが、実際にそう!となると はああああ、となりますね…。
そしてドクター・グレイはエリック(ルディもだけど)を救える人だと思うのですが、 あの事実があるから葛藤がすごくあるだろうな…。 というかグレイも救われてほしいと思いました。
そう!この物語はまだ誰も救われていないのです。 事実が明るみに出て、その後はまだ分からない。 軽率にいいますけども、このふたり(3人?)のその後が観た〜〜〜い!
パンフでもグレイ役の酒巻さんが グレイの幸福を願わずにはいられない、ルディ(エリック)とふたたび出会いたいという ようなことを話されていて、それそれ〜!!と思ったりします。 serial numberは、劇作家・演出家の詩森ろばさんと 俳優の田島亮さんの演劇ユニット(でいいのかな)。 今回は旗揚げ公演で、3つの作品が上演されました。 願わくば他の2作品も観たかった〜。
パンフにも書かれてありましたが、田島さんは 主演舞台に穴を開けて活動を自粛、当時の事務所との 契約も終了。 そしてその間にろばさんに演技を鍛えなおして もらったそうです。
私は彼のお芝居を観るのは初めてだったのですが とても引き込まれました。 舞台映えもするし、舞台が、お芝居が好きなんだろうな と感じました。 戻ってこられてよかった、そう素直に思える作品でした。
また機会があったらserial numberの作品を観てみたいなあ。
そうそう、会場がレンタルスペースだったこともあって たどり着けるか不安でしたがなんとかなりました。 私が観た日がちょうど七夕で、途中でお祭りがあったり 軒先に七夕飾りがあって、それを「わーすてき」と眺めていたら 家の方が外に出ていて「こんにちは〜」なんて挨拶したり と道すがらほっこりしながら歩けました。 なかなか行かないところなので何だか嬉しかった思い出。
最初にたどり着いたときは「ほんとここでいいの??」 と一瞬不安になりましたが スタッフさんが表にいたので安心でした笑。
普段は比較的有名で大きな作品を観ることが多いので 新鮮で楽しかったですし、もっと観てみたいなと思いました。 アンテナを貼らねば。そしてツイッターありがとう!という気持ちです。