前回のエントリーでも書いたのですが、 すっっっっっっかりハマってしまいました。
すっかりハマってしまったのは、
ル・ポールのドラァグ・レース
です!!
これはいわゆるリアリティ番組で、 ドラァグクイーンのカリスマ、ル・ポールが ”アメリカの次世代ドラァグクイーン”を見つけるため”の レース。
オーディションで選ばれたドラァグクイーンが全米から 集まり、”アメリカの次世代ドラァグクイーン”を代表するクイーンに なるためにしのぎを削る、というものです。
形式としては、アメリカンアイドルとかブリティッシュベイクオフとか ひいてはアサヤンとか?(当時はTV東京が映らなかったのでよく知らないのですが) というイメージかな。 1週ごとに課題があって、1人ずつ落とされていく、という。
現在シーズン11まで放送済みで、全てNetflixで見られます。 そしてわたしは、今日シーズン11をラストまで見ました。 本編シーズン完走!!
を記念して(?)、わたしが夢中になったポイントを 書き連ねたいと思います。
人間ドラマとしての面白さ
こういうリアリティ系の番組ではこれがないとダメとは 思うので当たり前といえば当たり前なんですよね〜。
けれど、 この番組の出演者の多くはマイノリティなので、 幼い頃は自分のことで悩んできた人たちばかり。 壮絶な生い立ちの人も少なくありません。 出演者のみんなが語ることに涙することも多々あります。
自分のパーソナリティを一番近い家族に 認めてもらえなかったりすると 若くして家を出ることになる。時には追い出されることもある。
そうしてドラァグにたどり着いて ドラァグネームを付け、きらびやかなドレスにダンスで 生き生きと輝いている。 プライドを持っているんですよね、みんなそれぞれ。
そのプライドがぶつかる様、弱い自分を見せてくれるところ、 友情(これは厄介なこともある)や仲間意識が芽生えてきたり するのも見応えがあります。
初期が特にそうなんですけど、 「○○(ドラァグネーム)は気の強いビッチで〜」 と、自分ではないもう一つのなりたい自分、というような 感じで話をする人が多かったのも印象的。
あと、どうもこの撮影をしている間中は 撮影以外で ホテルから(というか部屋から)一歩も出られない、 携帯もボッシュートらしいんです。
今まで地元では人気クイーンとして活躍していて、 自信満々で乗り込んできたら 自分と同じ、いやもっとすごいクイーンたちがいる。 そして自信満々の自分のスタイルが批評される。 そのストレスやいかほどか…とは思いますが、 追い詰められているからこそのドラマもあるんですよね。
みんなすてきです。
課題のバラエティの豊かさ
各1話ごとに、ミニチャレンジ(無いことも)、 課題、ランウェイ&リップシンクという構成になっています。 次世代のアメリカのドラァグクイーンは、美しいだけではダメ! カリスマ性・ユニークネス(個性)・度胸・才能 を全て備えていなくてはいけないのです。
そこで、毎回行われる課題なんですけど、 テーマに合わせた洋服作りから演技・ミュージカル(ルージカル)・ ダンス・ものまねや時にはスタンダップコメディも。
ここで見るのは、自分の殻を破って課題に取り組んでいるか。 先ほど書いたように、クイーンたちはもう1人の自分を作りあげている 人が多くて、弱い自分を守るために壁を作っている…ということも。
その壁を破って、自分をもっと見せて欲しいということと わたしは理解しています。 もともと持っている(オーディションで選ばれるくらいだし) カリスマ性や才能を、度胸を持って個性的に出す!!という イメージですかね…無理やりにいうと。
簡単にいうと、成長が見たいのかなとも思います。 ベテランで完成されていると思っても、課題を通して ワンランクもツーランクもアップしているのを見ると そう思います。
逆にいうと、成長しない人は帰されます。 そりゃそうだ。
その課題も毎回凝っていて面白いんですよ〜。 もともとショーで活躍している人が多いので (最近はsns派も多くなってきたけど) なんだかんだできっちり見応えあるんです。 振り付けの時は「覚えられない」とか言っていても 本番ではビシッと決めてくれる。 (練習ものすごくしてるんだろうなと思います) ギャグが滑るとか間が悪いとかで出来が悪いこともありますが、 それを含めても面白く見ています。 たまに微妙〜とか思いながら見ることもありますけど。
ランウェイの美しさ
やっぱりねえ、ランウェイの華やかさも欠かせないんですよ。 美しさだけではダメですが、美しさが無いのもダメ! ですが、その”美しさ”はいわゆる世間一般でいわれているような 美しさだけではなくて。
身体が大きくても、やせっぽちでも、 その人の”個性”が出ていてそれが自信となって 表れてれば美しいのです。
この番組を見て、自分も勇気付けられましたもん。 太くても身体の線を出した方がきれいだな、 と思ってずっと二の足を踏んでいた シャツインを始めました。 えっ それだけ、と思われるかもですが わたしの中では大事件。 そしてやっぱりシャツインした方が (自分比で)スッキリしてスタイルもよく見えるんですよね…。
勇気をくれてありがとう、ビッグガールたちよ。
それだけではなくて、ホラー系とか変人とかと呼ばれる 人たちもみんな美しい! 毎回、惚れ惚れしながら見ています。
デザイナーが作ったドレスも目の保養ですけども、 ワークルームで作る手作りドレスもわたしは好きです。 もっと見た〜い!けど、最近お裁縫が苦手なクイーンが 多いかも?
魂をかけたリップシンクバトル
正直、最初に見たときは 「は??なんでリップシンク??」と思ったものでした。 なんの知識もなかった。今でもそれほどは無いのですが。
なぜ魂をかけるのかというと、毎回課題とランウェイの結果で ボトム2(下位2名)が決まります。 その2人でリップシンクを行い、ルポールの心が震えた方が 残る、というものです。
ドラァグクイーンのショーはリップシンクが多いと思うのですが、 その本職ともいえるリップシンクで脱落をかけて争う! このレースにかけている(優勝賞金なんと10000ドル)クイーンばかりなので その魂のこもったリップシンクはこちらも心震えます。
一度、選べなくてルーがハケたこともありました。 あの結果はつらかった。 今はどちらも素晴らしければ2人残るし(あまり無い) どちらもダメダメだったら2人一気に落ちるし(滅多に無い) 色々なパターンがあります。
わたしも好きなリップシンクがありますが、 課題でダメでもリップシンクで残ればいいという 人はちょっと…。 それではリップシンクの女王なだけで 次世代のドラァグクイーンでは無いなあと思うわけです。
ホンッットに素晴らしいリップシンクを見ると 涙が出てきます。 リップシンクのときに起こるドラマも多くて それは特に印象に残ったりします。良くも悪くも。
全部が手放しで絶賛できることも無いのですが、 わたしはこの番組がとても好きです。 ルポールが毎回言う
「自分を愛せなくては他人も愛せない」
は、わたしも胸に留めておかないとなと思います。 自己評価低いわりには自意識過剰なところがあるので…。 でもこの番組を見たことで、少しは自己評価が上がってきたかな! と思います。
出演しているクイーンたちは、「同じような立場の子の手本になりたい」 ということをよく話していますが 遠い日本の片隅に住む妙齢の女性でもすっごく励まされたよ! といつか伝えられたらな〜なんて思っています。
それにしても、大好きすぎて仕事以外のほぼ 全ての時間をルポールのドラァグレースに費やしてしまいました。 楽しすぎるけどもうこれは中毒では??
あとは配信されているオールスター4を見て(1〜3も配信してください Netflixさま!!!)、ダンシングドラァグクイーン(シーズン5に出演していた アリッサのスピンオフ)を見て、元になったと言う 「パリ、夜は眠らない」を見たら WOWプラスというアメリカの配信でほかの見られないものを 見ちゃおうかなと思っています。
次のシーズン12も楽しみ楽しみ。
(2023年、ル・ポールのドラァグ・レースのツアーWTWが日本に来てくれました!やった〜!)