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北海道・道東を拠点に、いろいろなところを旅したり温泉に入ったり車中泊に憧れたり生活に関するレビューをしています

NTL「アレルヤ!」を観ました

ナショナルシアターライブ「アレルヤ!」を観てきました。

しかし”観てきました”と言っておきながら飛行機の到着時間の関係で 前半15分くらい観られていないという…。  

さてさて、それはそれとして「アレルヤ!」です。 アランベネット作、ニコラスハイトナー演出。

といえばそう…あれです、「ヒストリーボーイズ」!!!!

私の心のバイブル、「ヒストリーボーイズ」の2人が ふたたび、というこの作品。 しかもヒストリーボーイズから2人の俳優が出演、と 聞いて観たい観たいと思っていました。  

舞台はイギリス北部にある国営病院。 そこに長年入院している老人たちとその人たちを 取り巻く人々のお話です。  

そして、このお話はNHSにも関係しています。

NHSといえばそう!『BLUE/ORANGE』ですね。

www.tabionnlife.com

あのときちょっとだけ調べたことがここにも 繋がってきた…! それだけ、イギリスで関心の高いことなのだなと 思わされました。  

NHSは、いわゆる低所得の人でも 医療サービスを受けられるように、というサービス。

しかし、国が病院を閉鎖したがっており、 いわゆる老人ホームは高くて入れない老人たちの 行き場は……?   というのが主な軸ですかね。  

 

演劇らしいな、と思ったのは、車椅子の老人たちが 歌い踊るところ。 全体的に可愛らしい動きでほっこりしました。  

ストーリー的には実は先が読めてしまったこともあり 「ああ、あの事件を元にしたのかな」と 思ったりしたのですが、身につまされました。  

自分の話でなんなのですが、私の家族も 現在病院に入っていて、きっともう最期まで出てこられません。 最初は毎週病院に通っていたのですが、 2週にいっぺんになり、1月に1回になり…。 まあ実家に行ってた頃よりは行っているかも しれないのですが、観ていて変なところで 胸がぎゅっとなってしまいました。  

入院している老人が病院から出るのは、 病気が治ったときか死亡したとき。 しかし、ここの患者たちは病気が治っても 行くところがない。  

医療サービスとは。ということを考えましたね〜。  

その中で、優秀な看護師だったり移民の医者だったり、故郷を捨てた (というか捨てざるを得なかった)息子だったり 炭鉱がなくなり、地元に仕事もそれほどない若者だったり が絡んできます。  

ツイッターで「アレルヤ!」と「ビリーエリオット」の関係性の ことを見たりしたのですが、なるほどなあと。 私はそこまで考えないで観ていました。

イギリス北部の炭鉱の町だったところは、こういう問題が 今まさにあるんだろうな、と思う感じで。  

この「アレルヤ!」はかなりストレートに アランベネットの思いを伝えていたと思います。 ラストの医師の独白は、アランベネットから イギリスへの皮肉付きのラブレターだったのではと思うほど。  

ナショナルシアターライブは今年度から 「語る会」というものが開かれていて、 この「アレルヤ!」でも面白い話が聞けたんだろうな、 聞いていたら感想はまた変わるかもなあと思います。 私も一度は参加したいのですが日程が結構ギリギリになってから 出るのでいつもタイミングが合いません…地方住みの悲しみ。 仕方なし。  

幕間のサミュエル・バーネットとサッシャ・ダーワン(ヒストリーボーイズの2人)が インタビューでおそろの服みたいになってたときに 「前も同じ服(制服)だったしね」みたいなこと 言っていてかわいい!!!!と思ったことが 印象に残っています。大事なことは忘れている…。  

作品全体を覆う言いようのない残酷さと、それを軽やかに観せてくれる脚本と演出。 軽やかだからこそ余計 胸にずーんときたなあ、という作品でした。 

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